前重心と情緒への影響
下のイラストは重心の違いによる脚の筋負担を表しています。
骨格主導の重心 筋肉主導の重心
右「筋肉主導重心」の二人では
前腿、前スネのグレー部分が
「ただ立つだけで起きている緊張」です。
(実際は、膝下全体がグレーゾーンの
ことがほとんどで、上半身では主に
背面部に必要以上の慢性緊張が生じます。)
左「骨格主導重心」の二人では
股関節のほぼ真下に重心落下点があり、
脚の骨が体重を支える状態にあることが分かります。
右「筋肉主導重心」の場合、多くは
「前重心」となり、重心落下点が
つま先寄り拇指球付近になります。
これは、外反母趾の主原因と考えます。
「前重心」による弊害は多くありますが、
比較的若い方では
「前ももばかり太くて、いつも張ってる」
「膝下がいつもガチガチに硬い」
こうした筋肉状態の継続により、
加齢と共に、膝、股関節の不具合、
腰痛、背部痛の悪化など
が多くなります。
骨格主導の重心 筋肉主導の重心
子供でも同様で、心理的には
前のめり、常に倒れそうな状態は
不必要にせかせかしやすく、
何となく落ち着きにくい感覚を起します。
強度の前重心では、興奮しやすかったり、
気短な傾向が見られます。
これも見ようによっては
「すごく元気な人」「活発」
にも映りますが、小さいお子さんの場合
「ソワソワとして落ち着きがない」
「興奮しやすく、キレやすい」
と映ることもあります。
歩行中急に止まるのが苦手になるので
人混みでのストレスも高くなります。
ただ立っているだけでも、必要以上に
疲労するので、前のめりな姿勢に疲れると
真逆の骨盤後傾型の背中全体の丸まった踵重心
で立っていることもあります。
(冒頭の左「骨格主導重心」の重心落下点は
踵よりですが、正確には「脛骨足裏直下点」という
位置にあります。詳細は書籍を参照下さい)
親から見ると、背中を反らして胸を張っている
右側、前重心型の方が
元気でピシッとしている様に見えるので
良い姿勢に映るのですが、実際は上記の通り、
多くの問題を抱えます。
必要以上の慢性緊張は、疲れやすさだけでなく
小さいお子さんの場合、
こうしたことが情緒に影響している
ことが多くあります。